仏教における三界とは

みなさん、こんにちは、仏教の中には、様々な言葉が出てきますが、

今日は、その中から、お経にも出てくる言葉

三界(さんがい)について、説明したいと思います。

この三界は、お経にも出てきますが、字のごとく、

亡くなった魂が必ずいく三つの世界だと思って頂けると

わかりやすいと思います。

この三つの世界ですが、

☆精神だけの無色界①

☆欲がなく形だけある色界②

☆欲望の世界の欲界③です。

 

まず、一番上の無色界は、欲望も超越し、

物質的な形もない世界(無色)であり、

ただ精神作用のみがある世界で、欲もなくなり、

すでに形もない世界という意味です。

形なきものの世界のことで、形はないが

精神作用のみが存在する世界なんですよね。

なんか、わかりづらい気がしますが・・・

 

色界は、欲望はほとんど超越したが、まだ物質的な形のある

世界(色)であり、形にとらわれたものが住む世界です。

欲はほとんどないが、まだ形のある世界という意味なんですよね。

形あるものの世界のことで、色とは形あるものの訳語として用いています。

この形あるものは、変化し、壊れ、一定の空間を占めている世界で、

色恋沙汰や色情の世界のことではないので、ご注意を・・・

 

欲界は、欲望にとらわれたものが住む世界で、

欲のある世界という意味です。

通常のわれわれ人間の住む世界は、この欲界に属します。

普通の意味での地上世界は、欲界なんですよね。

我々衆生が生死を繰り返しながら輪廻する

世界はこの三つで、仏教の教えを説いた仏陀は

この三界での輪廻から解脱しているということになります。

欲界の中には、さらに、

人道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道(8種類=八大地獄)があり

これに天道を加えて六道といいます。

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六道とはどんな場所

〇天道は天人が住まう世界で、天人は人間よりも優れた存在とされ、

寿命は非常に長く、また苦しみも人間道に比べてほとんどないと

されています。また、空を飛ぶことができ享楽のうちに

生涯を過ごすといわれています。

しかしながら煩悩から解き放たれておらず、

仏教に出会うこともないため解脱も出来ません。

 

〇人間道は人間が住む世界で、四苦八苦に悩まされ

苦しみの大きい世界であるが、苦しみが続くばかりではなく

楽しみもあるとされています。また、唯一自力で仏教に出会える

世界であり、解脱し仏になりうるという救いもあります。

 

〇修羅道は阿修羅の住まう世界で、修羅は終始戦い、争うとされています。

苦しみや怒りが絶えないが地獄のような場所ではなく、

苦しみは自らに帰結するところが大きい世界です。

 

〇畜生道は牛馬など畜生の世界であり、ほとんど本能ばかりで生きており、

使役されるがままという点からは自力で仏の教えを得ることの出来ない

状態で救いの少ない世界とされています。

他から畜養(蓄養)されるもの、すなわち畜生になります。

 

〇餓鬼道は餓鬼の世界で、餓鬼は腹が膨れた姿の鬼で、

食べ物を口に入れようとすると火となってしまい

餓えと渇きに悩まされます。他人の事を考えないために

餓鬼になった例があり、旧暦7月15日の施餓鬼は

この餓鬼を救うために行われます。

ちなみに、お盆のときに私もお寺で、

毎年お施餓鬼供養を行っています。

自分の先祖供養と一緒に供養されない餓鬼道の魂に施し、

徳をつむ意味があるので、施しや、規律を守ることは、

徳につながるんですよね。

せめて、人道より下にいかないように、

誠実に徳をつみ生きたいものですね。

 

〇地獄道は罪を償わせるための世界です。

 

仏教においての修行(生きること)とは、人道よりも、

上の天道に行くために、徳行を積みなさいと言うことなんですよね。

この欲界では人道が一番ではなく、欲の神様、六欲天がいるとされています。

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☆他化自在天(たけじざいてん)欲界の最高位

六欲天の第6天、天魔波旬の住処

 

☆化楽天(けらくてん、楽変化天=らくへんげてん、とも)

六欲天の第5天、この天に住む者は、自己の対境(五境)を変化して

娯楽の境とする。

 

☆兜率天(とそつてん、覩史多天=としたてん、とも)

六欲天の第4天、須弥山(しゅみせん)の頂上、12由旬(ゆじゅん)

の処にあるとされています。

ゆじゅんとは、距離を表しています。1由旬≒11km~15km

 

☆夜摩天(やまてん、焔摩天=えんまてん、とも)

六欲天の第3天、時にしたがって快楽を受くる世界

 

☆忉利天(とうりてん、三十三天=さんじゅうさんてん、とも)

六欲天の第2天、須弥山の頂上、閻浮提(えんぶだい)の上、

8万由旬の処にある帝釈天のいる場所

 

☆四大王衆天(しだいおうしゅてん、四天王の住む場所)

六欲天の第1天、持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王がいる場所

この中でも、最高位の第六天魔王(他化自在天=たけじざいてん)ですが、

なぜ神なのに魔王かというと、人道の欲をみて楽しむ神様なので、

魔王と呼ばれてるそうです。

 

織田信長は、武田信玄からの、挑戦状の返書に

自ら第六天魔王と書き記したとありますが、

これには、信長のプライドの高さが見えますよね。

でも現実的には、誰もが欲があり快楽があるから、

がんばろうとするのも、事実ですし、

欲が夢につながる場合もありますよね。

地獄はどんな場所

一番下にある八大地獄ですが、細かく説明すると

★等活地獄(とうかつじごく)は地獄の中でも最も処罰が軽いと

されている地獄で、生前にいたずらに命あるものを殺した

悪人が落ちるといわれており、蚊や蟻などの虫もこれに該当します。

この他にも生前争いを好んだ者や反乱を起こして死んだ者も

この地獄に落ちると言われています。

等活地獄では受刑者同士が刃物による殺し合いをさせられ、

切り刻まれる苦しみに耐えなければなりません。

死んでしまっても直ぐに身体が再生され、繰り返し

殺し合いをさせられることになるそうです。

この等活地獄は1兆6653億1250万年続くとされており、

刑期を終えるまで受刑者たちは苦しみ続けるそうです。

 

★黒縄地獄(こくじょうじごく)は生前に殺生をし、

盗みを働いた者が落ちるとされている地獄です。

出来心から一度だけ窃盗をした者は対象にならず、

常習的に盗みを繰り返した者がこれに該当するとされています。

黒縄地獄では熱せられた鉄の上に倒され、焼けた縄で

体に線を焼き付けられます。さらにその痕を焼けた鋸(のこぎり)で

切り裂かれ、削られることになるのです。

他にも鉄の山を背負わされた状態で高い位置に張られた縄の上を

歩かされますが、渡り切ることができずに落下して砕け散るか、

運が悪ければ煮えたぎる鍋に落ちて茹でられます。

この黒縄地獄の苦しみは等活地獄の10倍にもなるといわれており、

刑期は13兆3225億年になるそうです。

 

★衆合地獄(しゅごうじごく)は殺生、窃盗に加え、

淫行をした者が落ちる地獄です。ここでいう淫行とは

浮気など一般的に禁忌とされる行為を指します。

宗教は性について厳しく取り締まっているものが多いため、

それらが地獄の概念に影響しているのかも知れません。

衆合地獄では受刑者は鉄の山に押し潰されて

圧死を繰り返すことになります。また、刀の葉を持つ木が生えた森を

走らされ身体中が切り刻まれたり、鉄でできた巨大な怪物に踏み潰されます。

衆合地獄の苦しみは黒縄地獄のさらに10倍といわれており、

受刑者は106兆5800億年ものあいだ苦しみ続けます。

 

★叫喚地獄(きょうかんじごく)はこれまでの悪事に加え、

酒にまつわる悪事を働いた者が落ちるとされる地獄です。

ここでいう酒にまつわる悪事とは飲酒のことではなく、

酒を飲ませて悪さを働いたり、酒と共に毒を飲ませるなどの

行為を指します。長寿の薬といわれる酒ですが、

一歩間違えれば人を堕落させる危険性があります。

叫喚地獄の概念はそれを説く教えなのかも知れません。

叫喚地獄では熱湯で満たされた大釜や燃え盛る鉄の檻に

閉じ込められて熱せられます。そのあまりの苦しみから

受刑者が泣き叫び叫喚することがこの地獄の名前の由来です。

この他にも目から火を噴く巨大な獄卒に追われながら弓で射られたり、

棍棒で殴り殺されたりする苦しみに耐えなければなりません。

叫喚地獄は衆合地獄のさらに10倍の苦しみであり、

852兆6400億年ものあいだ苦しみ続けることになります。

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★大叫喚地獄(だいきょうかんじごく)は他人に嘘をついて

悪事を働いた者が落とされる地獄です。

嘘をつかず正直に生きなさいという教えから生まれた地獄ですが、

人間は嘘をつく生きものであるため該当する死者は

非常に多いことが予想されます。

大叫喚地獄では叫喚地獄の刑罰の苦しさをそのまま

拡大したような苦しみを与えられますが、

使用される鍋や火力はさらに大きく、受刑者たちの叫びも

さらに大きくなります。

大叫喚地獄は叫喚地獄の10倍の苦しさであり、

6821兆1200億年に刑期が延長されます。

 

★焦熱地獄(しょうねつじごく)はこれまでの罪に加え、

仏教の教えに背く考えや行いをした者が落ちるとされている地獄です。

キリスト教も背信者を異端として処刑していた時代がありましたが、

仏教においても教えに従わない者は罰を受けるという

考えだったことがわかります。

仏教では信仰心の低い者や異教徒はこの焦熱地獄に落ちると

教えられていたそうです。

焦熱地獄では受刑者は串刺しにされて身体が焦げるまで

炎であぶられることになります。そして再生すると今度は

バラバラに切り刻まれて、再び炎で焼かれることになります。

焦熱地獄の炎はこれまでの地獄の炎が冷たく感じるほど高温であり、

仮に地表に持ち出せば一瞬で世界を焼き尽くしてしまうと考えられています。

焦熱地獄は大叫喚地獄の10倍過酷なもので、

その刑期は5京4568兆9600億年です。

 

★大焦熱地獄(だいしょうねつじごく)はこれまでの罪に加えて

尼や幼児に乱暴を働いた悪人が落ちる地獄です。

これに該当する者は間違いなく極悪人の部類であり、

地獄で受ける責め苦も一層過酷なものになります。

大焦熱地獄に落ちる者は生前の死に様も悲惨になるとされており、

地獄では等活地獄かた焦熱地獄の苦痛をすべて合わせたものの

10倍の苦しみを受けるといわれています。

受刑者が受ける刑罰は焦熱地獄の方法と変わりませんが、

炎はさらに高温になり、刑期は43京6551兆6800億年になるそうです。

 

★地獄の中でも最下層に位置する無間地獄(むけんじごく)は

悪人の中でも父母や聖職者を殺害した極悪人が落ちるとされている地獄です。

無間地獄は地下の最も深い部分にあるため、

到達するだけで2000年も落ち続けなければなりません。

無間地獄の受刑者はこれまでの地獄のすべての刑罰に加え、

毒や虫、動物を使った刑罰やこの世のすべて病の苦しみを

絶え間なく受け続けることになります。

その苦しみは人間が感じる恐怖と絶望の域を軽く超え、

これまでの地獄がまるで極楽であったと錯覚するほどだといわれています。

無間地獄の刑期は349京2413兆4400億年にも達し、

罪を償い転生できるまでに気が遠くなるほどの

責め苦を受けなければなりません。

 

しかし、地獄と地上では時間の流れる感覚が違うため、

受刑者は死んでからそれほど時間を空けずに

転生する場合もあるそうですが、

それでも、死んでからも罪を償う事になるので、

日々、正直に、感謝の気持ちを忘れず、謙虚に過ごしたいものです。

人として、正しく生きる教えが、仏教なのかもしれませんね。

 

他の宗教にも同じ地獄の世界が記されていますが、

良い教えは、吸収して、純粋に

信心の心を養えるように、生きたいものです。

それでは、皆様が少しでも開運されますように・・・

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