みなさん、こんにちは、今までに仏様の種類で、
如来・菩薩・明王の説明をさせて頂きましたが、
いよいよ最後の天について、書きたいと思います。
☆帝釈天(たいしゃくてん)
知ってる方は知ってると思いますが、昔の映画、男はつらいよの
舞台、東京都葛飾区柴又の題経寺でも有名な帝釈天です。
漢字の通り帝(みかど)を表わしていて、軍神として祀られてきました。
インド読みは、シャクロー・デーバーナーム・インドラで
真言はナウマク・サマンダボダナン・インダラヤ・ソワカです。
お釈迦様の修行を側近として助け、自分自身も帰依者として
行を積んだとされています。
日本の他のお寺では東大寺法華堂(三月堂)に祀られています。
密教のほうでは白い象にまたがっているんですよね。
ただインドではヒンドゥー経のブラフマー・ヴィシュヌ・
シヴァのほうが有名になり、ちょっと影は薄いですが・・・
帝釈天は四天王天(東西南北)をしたがえ、人間の善行悪行を監視している
(持国天・広目天・増長天・多聞天(毘沙門天))神様ですので、
国のトップになる人や会社の経営者などは、礼拝したほうがいいと思いますよ。
☆大黒天(だいこくてん)
日本の密教では、商売の神様として、大国主命(おおくにぬしのみこと)と
同一視されてきましたが、もとはインドの大魔神で
インド読みはマハーカーラで真言は、オン・マカキャラヤ・ソワカです。
字の通りインドでは、暗黒破壊の神とされ、すごい形相をしていますが、
日本では皆さんもご存じのとおり七福人の一人として、親しまれていますよね。
私が行かせて頂いている東京のお寺では、大黒会というものがあり、
偶数月に大黒様を祀ってる人が、お寺に持ってきて、
商売のご祈祷をする行事があります。
この大黒様を地方でも祀って少しでも、地方の景気が回復して
くれればいいんですけどね。
☆弁才天(べんざいてん)
弁才天は日本では七福神の一人で、蛇を従え、財や富をもたらす女神
とされています。
インドではサラスヴァティーといい真言は
オン・ソラソバティエイ・ソワカです。
河の神様ということもあり日本の仏教では、
観世音菩薩の化身だともされていて、鎌倉の銭洗い弁天は
洞窟のわき水でお金を洗うと、お金が増えると大人気ですし、
東京上野の不忍弁天では、財布に入れておくだけで、
金銭に困らないとされています。
日本では奈良時代から信仰されてきたみたいですよ。
それと江の島にも昔、悪龍が住んでいて、人々を悩ませていて、
それを、退治したのが、弁才天だともいわれています。
いいつたえなので、真実はわかりませんが・・・
でも、蛇を従えてって、アニメワンピースの
ボアハンコックみたいですよね。
☆毘沙門天(びしゃもんてん)
みなさんもご存じの七福神のひとりで、
日本では武将の最強の守護神として、信仰されてきました。
前にも書きましたが、四天王のひとり多聞天の別称です。
インド読みはバイーシュラバナで真言は
ナウマク・サマンダボダナン・ベイシラマンダヤ・ソワカです。
日本に仏教が伝来したときに、聖徳太子が物部氏との抗争に
勝利するために、祀ったのが始まりで、勝利した聖徳太子は、
その後四天王寺を建立しました。
戦国時代には、上杉謙信も毘沙門天を信仰し、
旗印に毘という文字を使ってましたよね。
そんな毘沙門天ですが、インドの古代神話では暗黒界にすむ
悪霊の長として君臨してたそうです。
それと、毘沙門天にお願いし相手を呪殺する怨敵降伏の秘法があるそうです。
今の日本では、鎮護国家の神様として民衆に浸透してますが・・・
☆吉祥天(きっしょうてん)
仏教の中では希代の美女神とされていて弁才天をしのいで
一番美しいそうです。
インドでは、マハーシュリー(ラクシュミー)と呼ばれ、
ヴィシュヌ神の妃で愛欲神(カーマスートラー)の母として
伝わっています。
仏教では毘沙門天の妃で母が鬼子母神となっています。
真言はオン・マカシリエイ・ソワカです。
日本では、京都の浄瑠璃寺や奈良の法隆寺に像が祀られてるそうですよ。
今昔物語などに登場したり、天女の羽衣のモデルは、
弁才天か吉祥天かみたいな話もあります。
東京の駅名でもある吉祥寺や高円寺、国分寺ですが、
国分寺、高円寺にはそれぞれ同名のお寺がありますが、
吉祥寺には残念ながら吉祥寺というお寺はありません。
吉祥天は、福徳をもたらす女神とされているので、
独身男性の人は、より良い人とご縁が生まれるように、
真言を唱えてみては・・・
☆摩利支天(まりしてん)
どのような困難からもまぬがれるという、陽炎を神格化した神様で、
インドではマリーチと言われ、真言は、オン・マリシエイ・ソワカです。
外観は6本もしくは8本の腕に金剛杵(こんごうしょ)や針や
矢などの武器をもち猪にのっています。
昔から武士がよく崇拝していて、有名な楠木正成も
甲冑の中に像を入れてたそうです。
日本では、上野アメ横の徳大寺が江戸の昔から、
下谷(したや)の摩利支天さんと言われ親しまれていたそうですよ。
ご利益は、盗難・水難・火難を避ける事が出来るとされています。
☆茶吉尼天(ダキニテン)
もともとインドでは、人間の心臓や肝を食す夜叉神だったんですが、
大日如来に改心されて、豊作の神様になったとされています。
インド読みはダーキニーで真言は
ナウマク・サマンダボダナン・キリカ・ソワカ です。
日本にはもともと狐神信仰がありこれと結びついて、
稲荷神となりました。
茶吉尼天の像は天女の姿をし剣と宝珠をもち白狐にまたがっています。
インドの神様も、いろいろ時代の流れで姿を変えたりするので、
わかりずらい場合もあるんですけどね。
仏教じたいが、イスラム教にインドを追い出された感じになってるので、
イスラム教やヒンドゥー教などでの神様も仏教とは違うんですよね。
ただこの仏教は、現代でも、通用する素晴らしい教えで、
ここから日本の宗派も誕生しているので、大切にしたいですね。
☆歓喜天(聖天)(かんきてん、しょうてん)
暴神と観音が抱き合う和合の神様で、
インド読みはガナバチといい真言は
オン・キリク・ギャク・ウン・ソワカです。
男女が抱き合う神様なんですが、その理由は、
シヴァ神の子供で像の頭をもった鬼神が、
ある女性に一目ぼれして、自分のものにしようとしますが、
その女性に、仏の教えに従わない限り身体は許さないと言われ、
仏教守護を誓いその女性を抱き、歓喜を得たので、
歓喜天になりました。
女性のほうは十一面観音の化身とされています。
日本では、東京浅草の待乳山(まつちやま)聖天が有名で、
関西では生駒山宝山寺の聖天が有名です。
この名前の通り、男女和合や子授かりのご利益があるそうです。
でもお稲荷さんのように、ちゃんと祀らないと祟りがある
荒々しい神様なので、注意が必要ですけどね。
☆閻魔天(えんまてん)
みなさんご存じだと思いますが、亡くなった人の善悪をさばく神様です。
インドではヤーマといい真言は、
オン・ヤマラジャ・ウグラビリャ・アガッシャ・ソワカです。
もともとはバラモンの神で双子の神様だったとされています。
まず人が亡くなると、七日ごとに、最初は初七日、四十九日、七十七日
などで法要をしますよね。
その後は百ヶ日、一周忌、3回忌、7回忌ですが・・・
この法要は神様への祈りのかわりに仏様を祀るという意味があります。
お寺で聞いたのは、本当に亡くなった魂は、自分がいく場所を
決めるために閻魔天に出会うそうです。
でも、魂の行き先は自分で決めるらしいのですが、欲や嘘を
見極めるのが閻魔天で、10人の神様のうちの
6番目だか7番目に出会い、自分の過去をみつめて
行き先がきまり、そこからまた魂の旅が始まるそうです。
7回忌のころには、魂も故郷に到着するので、
7回忌まではしっかり法要をすることが成仏につながるんでしょうね。
その後は子孫を見守ってくれる存在になりますので、
続けて感謝をし法要することが、自分の未来にもつながると思います。
ちなみにこの閻魔天は地蔵菩薩の化身ともいわれているそうです。
☆自在天
前の記事でも書いたように、第六天魔王のことです。
もともと、ヒンドゥー教の三主神のひとりのシヴァ神をさしています。
暴風破壊の大魔王と言われていて、仏教ではほとんど
祀ってある所はないと思います。
密教だと十二天のひとつにあげられてますが・・・
ヒンドゥー教では、ブラフマーが世界を創造しヴィシュヌが維持し
シヴァが破壊すると言われています。
インド読みはマヘーシュヴァラで真言は
オン・マケイシバラヤ・ソワカです。
織田信長のことを、第六天魔王といいますが、まさに、ぴったりですよね~
本人もそう呼ばれる事を気に入ってたそうですよ。
人間、誰でもさまざまな欲望はありますし、欲望があるのが人間ですしね。
ただ欲望に振り回されない人生をおくりたいものです。
破壊から物事が生まれる場合もありますが、
出来るだけ、破壊のない世の中になってほしいと思います。
☆鬼子母神
子供の成育と安産の神様として、知られていますが、
インド読みはハーリティで真言は
オン・ドドマリギャキテイ・ソワカです
もともと鬼子母神には500~1000ともいわれる子供がいたとされ、
人の子供を奪って、食べると言う邪悪な性質をもった神様
だったとされています。
そこで釈迦が鬼子母神の末っ子を隠し、悟らせ、それからは、
子供の代わりに、ざくろを食べ、人間の子供を守る神様として
改心し祀られています。
江戸っ子に大変親しまれ、庶民のあいだでは、
恐れ入谷の鬼子母神と言われていたそうです。
ちなみに東京入谷の真性寺に祀ってある鬼子母神の事だそうですよ。
私も良く中山法華経寺に行きますが、ここにも鬼子母神は
大きく祀られています。
安産と言えば東京の水天宮も有名ですけどね。
鬼が善神になったという事で、
鬼子母神の鬼の字の角がとれた漢字を使うそうです。
☆梵天(ぼんてん)
梵天(ぼんてん)は、仏教の守護神である天部の一柱で、
古代インドの神ブラフマーが仏教に取り入れられたもので、
十二天に含まれます。
ブラフマーは、古代インドにおいて万物実存の根源とされた
ブラフマンを神格化したもので、ヒンドゥー教では
創造神ブラフマーはヴィシュヌ(維持神)、シヴァ(破壊神)
と共に三大神の1人に数えられていたんですよね。
音楽のバンド名でもありますよね。
梵天は帝釈天と一対として祀られることが多いんですが、
日本では、帝釈天の方が有名です。
☆四天王(してんのう)
帝釈天に使える、仏教を守護する四つの神で、東方の持国天、
南方の増長天、
西方の広目天、
北方の多聞天(毘沙門天)がいて、四大王(しだいおう)
とも言われています。
☆八部衆と八部鬼衆
八部衆(はちぶしゅう)は仏法を守護する8神で、
仏教が流布する以前の古代インドの鬼神、戦闘神、音楽神、動物神
などが仏教に帰依し、護法善神となったものになります。
十大弟子と共に釈迦如来の眷属を務めています。
天衆、龍衆、夜叉衆、乾闥婆衆(けんだつばしゅう)
阿修羅衆(あしゅらしゅう)、迦楼羅衆(かるらしゅう)
緊那羅衆(きんならしゅう)、摩睺羅伽衆(まごらがしゅう)
の8つを指しています。
八部衆に似ているもので、八部鬼衆というものがありますが、
八部鬼衆(はちぶきしゅう)は、四天王に仕える鬼神の事で、
乾闥婆(けんだつば)=東方を守護する持国天の眷属(けんぞく)
毘舎闍(びしゃじゃ)=東方を守護する持国天の眷属
鳩槃荼(くばんだ)=南方を守護する増長天の眷属
薜茘多(へいれいた)=南方を守護する増長天の眷属
那伽(ナーガ、龍)=西方を守護する広目天の眷属
富單那(ふたんな)=西方を守護する広目天の眷属
夜叉(やしゃ)=北方を守護する多聞天の眷属
羅刹(らせつ)=北方を守護する多聞天の眷属
の八部鬼になります。
☆十二天(じゅうにてん)
十二天は、仏教の護法善神である天部の諸尊12種の総称になり、
帝釈天、火天(かてん)、焔摩天(えんまてん)、羅刹天(らせつてん)
水天(すいてん)、風天(ふうてん)、毘沙門天(びしゃもんてん)
伊舎那天(いざなてん)、梵天(ぼんてん)、地天(ぢてん)
日天(にってん)、月天(がってん)になり、
方角を守護しています。
☆十二神将(じゅうにしんしょう)
仏教の信仰・造像の対象である天部の神々で、護法善神なんですが、
十二支に割り当てたものになります。
弥勒菩薩、勢至菩薩、阿弥陀如来、観音菩薩、
如意輪観音、虚空蔵菩薩、地蔵菩薩、文殊菩薩、
大威徳明王、普賢菩薩、大日如来、釈迦如来になります。
☆仁王(金剛力士)
仏教の護法善神(守護神)である天部の一つで、
開口の阿形(あぎょう)像と、口を結んだ吽形(うんぎょう)像の
2体を一対として、寺院の表門などに安置されています。
人間が産まれる時は、あで始まり、
亡くなる時は、うん(ん)で終わるとされていて、
人の一生を表しているんですよね。
狛犬も同じで、阿形(あぎょう)と、吽形(うんぎょう)に
なっているんですよね。
☆阿羅漢(羅漢)
仏教において最高の悟りを得た聖者のことで、
十六羅漢や十八羅漢、さらには、五百羅漢などありますが、
チベット仏教では、18番目を西遊記でも有名な、
玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)
三蔵法師としています。
天については、仏教に転じたインドの神様なんですが、
ブラフマーは梵天 インドラは帝釈天 ヴァルナは水天 アグニは火天
ラクシュミーは吉祥天 マハーカーラは大黒天 ヤマは閻魔天
ガネーシャは聖天 シヴァは大自在天 クベーラは毘沙門天
サラスヴァティーは弁才天になります。
こうやって見ると、日本独自の神様って、仏教では、
本当に少ないような気がします。
インドは、人口も多く、日本に比べると、まだまだ、
発展途上国ですが、信仰に関しては、学ぶことも多いような気がします。
意外と、貧しい方が、人間の信心の気持ちが、
成長するのかもしれませんね。
それでは、少しでも、皆さんに開運が訪れますように・・・
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